本 〜1997


1997/12/15
「初ものがたり」宮部みゆき
        時代物の短編集。おもしろい。
	いかにも続きがありそうなのでそちらにも期待。

1997/10/20
「鼠と竜のゲーム」コードウェイナー・スミス
        「人類補完機構」シリーズ というちょっとアレなシリーズ名が
	ついている。こっちのほうがおそらく元ネタでしょう。短編集
	舞台設定が斬新でなかなかよい。玉石混淆の感もある。
	人類補完機構 の原語は "instrumentality" でもとの意味は、
	> 1 媒介, 助け, 尽力、 2 手段(となるもの[人])、(政府などの代行)機関
	ということだから相当な意訳ですね。
	機構が何なのかは、この短編集を読んだだけでは良く分らないけど
	個人が肉体的にも精神的にも傷付かないようにめんどうを見てくれる
	機関みたいですね。エヴァの「人類補完計画」というのは
	後者を重視していると考えれば、似たようなものか?
	
「長靴と星空」
	筑波学園都市が計画されてから、「入殖」の初期のころまでの
	エピソードを当時の住人/役場の人々などの手記でまとめたもの。
	つくばびと必読かも。地名がわからないと迫力ないから、
	つくばびと以外にはわからないだろうなー。
	ゲリラ農園の話しや、泥の海のような東大通りを無免許で
	走る話しなど、まさにフロンティアーって感じ。
	このころに筑波にいたかった、かな。
	こないだ有罪判決をくらった中村喜四郎の親父の名前
	(やっぱり喜四郎)があちこちにでてくる。
	親父は偉い人だったみたい。

1997/10/11
「あなたに逢いたい」(1,2) 川原由美子
	役者マンガ。なかなか叙情的。


1997/9/25
「われ思う、故に、われ間違う」ジャン=ピエール・ランタン
        錯誤に注目した科学史。なかなかおもしろい。
	「奇妙な論理」と重複するネタも多い。
	S.J.グルードの「パンダの親指」「ダーウィン以降」
	で見たネタも。常温核融合がはいっているあたり(^_^;)。

1997/9/24
「トンデモさんの大逆襲」別冊宝島334
        「ハイパーサイエンティスト」の話を集めた本。
	特許の話が面白い。特許庁も大変だ。
	海野十三という戦前のSF作家の話が出てくるんだけど、
	(このひとはトンデモじゃない)電総研の前身の研究者だったらしい。
	最後の「先端科学株式会社」の複雑系批判は見につまされるなー。

1997/9/13
「パーフェクト・ブルー」宮部みゆき
        ミステリー。
        処女長編だそうだ。例によってとてもよい。ストーリーも
	キャラもいい。同じキャラで別の話書いてほしいな。
	最後のどんでん返しはちょっと。
	
1997/8/24
「機械たちの時間」神林長平
	機械の時間はわれわれの時間に逆行しているんだー、
	というテーマのSF。例によって幻想的?な作風でなかなか。
	『計算機を作っているところにいって、「いつできますか」と
	  聞くと、常に「あと半年でできます」と答える。』
	という、業界では有名な「フォン・ノイマンの法則」が
	出てきたのには驚いた(ジョン・ノイマンになってたけど)。

1997/8/17
「ライアン家の誇り」アン・マキャフリー
	「ダミアの子どもたち」に続く 九星系連盟シリーズの最後。
	しかし何で敵対異星人は、蟻のような社会構造を持つ
	昆虫型がおおいんだろう。「宇宙の戦士」以来の伝統か。
	そういう異星人なら安心して絶滅させることが出来るから、
	なんだろうなー。
	しかし「エンダー」みたいな話しもあるし。

1997/8/14
「ダミアの子供たち」アン・マキャフリィ
        「青い瞳のダミア」の続編。九星系連盟シリーズ。
	才能にはめぐまれているが世俗的な幸せにはめぐまれていない主人公が、
	苦労の後に世俗的な幸せを手に入れる、
	というのがマキャフリィにありがちなんだけど、
	この話は、主人公たちが才能にも幸せにもめぐまれているので、
	なんだかなー。まぁ、いいかー。
	しかもまだ続くんだな、このシリーズ。

1997/8/3
「生命の意味論」:多田富雄
	超システムというキーワードで、免疫系、発生、はては社会まで
	を語ってしまうという。でも、「超システム」という言葉の
	定義が不明確なんだよなー。
	個体の持つ抗体のセットが遺伝的な要素だけではなくて、
	偶然によって変化するというあたり、とても面白い。

1997/8/1
「敵は海賊・A級の敵」神林長平
        敵は海賊シリーズ最新作。すでに惰性で読んでいる。
	このシリーズのキャラはすごく好きなんだけど、
	やっぱ他の作品の方が好きだなー。

1997/7/30
「とり残されて」宮部みゆき
        短篇集。どれも質が高いが、やや軽いか。
	最後の「たった一人」は余韻を残す。SFがかった主題の作品が多い。
	プロットは緻密で筆力も確か。とても良いと言えましょう。

1997/7/29
「カエアンの聖衣」バリントン・J・ベイリー
	ワイドスクリーン・バロックというSFのサブジャンルに
	属する作品らしい。主題は人間を支配する衣装。
	著者が「禅銃(ゼンガン)」と同じ人ということでいやな予感が
	した(^_^;)が、結構面白かった。
	とにかくアイディアてんこもりという感じで、にもかかわらず
	一つの作品としてまとまっているのはたいしたものだ。

1997/7/22
「BANANA FISH」:吉田明生
	ひと昔前の漫画で当時友人宅で途中まで読んでたんだけど、
	ようやく最後まで読めたー。
	いまさらですが非常にいいっすね。
	最終巻の頭で話しがいきなり終るんだけど、本の残量で油断を
	しているだけになかなか来ます。
	最終巻の後ろに入っている後日談も、別冊の番外編もとてもいい。

1997/7/20	
「レベル7」:宮部みゆき
	記憶喪失もののミステリー。
	なかなか面白いんじゃないでしょうか。
	プロットが緻密だし、最後に2段3段のどんでん返しが
	あってなかなか。森某よりもずっと面白いぞ。

1997/7/14
「ペガサスで翔ぶ」アン・マキャフリィ
         非常に楽天的なESPもの。
        「ペガサスに乗る」の続編。「銀の髪のローワン」へのつなぎでもある。
	「能力」を電気で増幅するゲシュタルトという概念がでてくる。
	ジュブナイル的な側面がつよいかも。

1997/7/12
「もの食う人びと」辺見庸
        数年前にベストセラーになった本の文庫判。
	まあ何と言いますか、迫力のあるルポルタージュです。

1997/7/9
「結婚しないかもしれない症候群」谷村志穂
        かなり前に結構話題になっていた本。ドラマにもなったらしい。
	「結婚しない」じゃなくて「結婚しないかもしれない」というあたりが絶妙。
	バブル全盛ばきばきの時期に書かれているので、今読むとちょっとなー
	と思う点もあるが、男性にとってもなかなか参考になると思う。

1997/7/8
「青い瞳のダミア」アン・マキャフリィ
	傑作「塔の中の姫君」を長編化した「銀の髪のローワン」の続編。
	いつのまにか「九星系連盟シリーズ」なんて名前がついている。
	あと2作積んであるんだよなー。
	元気でわがままで魅力的な女性が主人公という意味で、
	典型的なマキャフリィもの。好きな人にはおすすめ。
	前半は「銀の髪のローワン」をわき役だったアフラの視点から
	描いているので前作を忘れていると読みずらい。

「極真空手バイブル」緑健児
	本と言うよりムックですが、著者は「飢狼伝」の堤城平の
	モデルだと私が個人的に思っている人です。
	身長165cmで無差別級の極真世界大会で優勝した人です。おそるべし。

1997/7/6
「笑わない数学者」森博嗣	
        「すべてがFになる」と同じ作者の同シリーズもの。
	巻頭の平面図をみただけでトリックが分かってしまったので
	つまんなかった。
	タイトルの数学者はかなりキてる人のようなのですが
	描写が今一で伝わってこない。

1997/7/3
「冷たい密室と博士たち」森博嗣	
        「すべてがFになる」と同じ作者の同シリーズもの。
	推理ものとしては良く書けているんだろうけど、
	やっぱいまいちなんだよなー。
	思うに、世間的にはエキセントリックであると思われる
	大学の研究室という背景設定が、私にはあまりに自然なので
	その分楽しめないのかも知れない。

1997/6/29
「すべてがFになる」森博嗣
        ミステリー。著者は某国立大学(おそらく名古屋大学)の
	助教授だそうで結構コンピュータに造形が深いようだが、
	今時インテジャーが16ビットはないよなー。
	でもなかなかにおもしろい。
	冒頭にSmalltalk 業界では有名な 青木淳さんの文章が
	引用されているのには驚いた。

1997/6/28

「スバラ式世界」原田宗典
        軽いエッセイ集。

「涅槃の王 巻の序 幻獣変化」夢枕貘
        夢枕貘にしちゃあいまいち。と思ったら処女長編らしく、
	本編の涅槃の王とは本来別作品らしい。
	本編に期待。

「百鬼夜行抄 1-3」今 市子 
	妖怪漫画。なかなか良く書けていると思う。
	作者の名前が笑かす。
	オジロ/オグロがいい。

1997/6/23
「ターミナル・エクスペリメント」ロバート・J・ソウヤー 早川SF文庫
	「さよならダイノソア」と同じ作者。両方とも
	離婚/不倫ネタが背景にはいるのは、作者の体験によるのかな。
	技術的な部分が、半可通と言うかんじで気になるけど、おもしろい。
	脳のスキャンによる人格のコンピュータによる再現、というねたは
	バーチャライズド・マンと似ている。推理小説的な部分もあるけど
	犯人?ほとんど見え見えなのでその点はいまいち。

「嗤う伊右衛門」京極夏彦 中央公論社
	例の京極堂シリーズとはべつで、ネタは四谷怪談。
	京極堂シリーズのよりはちょっとおちるけど、やはり読ませる。
	
「あさきゆめみし」大和和紀
	源氏物語の漫画。川原泉の「笑う大天使」の3人組の感想文を
	思い出す。

「ファンシイ・ダンス」岡野玲子
	禅漫画(^_^;)。映画よりも漫画のほうが面白かった。
	10年前の風俗がちょっと新鮮。
	
「CIPHER」
「ALEXANDLITE」  成田美奈子
	エイリアンの人。わたしは「エイリアン」が一番好き。
	テーマは全部おんなじだよなー。一気に読むとちょっと食傷。

1997/6/16
「フリーゾーン大混戦」チャールズ・プラット 早川SF文庫
	「バーチャライズド・マン」と同じ作者だが、
	正当派ハードSFの「バーチャライズド・マン」に対して、こちらは
	ありとあらゆるSFねたをごった煮のようにぶち込むというコンセプト。
	スラップスティックというやつか。まあ面白い。

「陰陽師」夢枕貘
	ずっと前に読んだんだけど再読。
	やはりこの人うまい。読ませるなー。
	「呪」の話など、京極に通底するものもあるかも。

1997/6/8
「神々の精神史」小松和彦 講談社学術文庫
	沢山の民話に共通する構造を抽出して分類/解析する話がとても面白い。
	後半、筑土鈴寛 とかいう人のはなしになってしまってつまんない。

1997/5/31 
「ドグラ・マグラ」上下  夢野久作, 角川文庫
	本の背面の解説に
	「これを読むものは一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書」
	とか書いてあるのですが、べつに大したことなかったような。
	話の中で実際に起ったことと、妄想とがごっちゃになっているので、
	読み終わっても話の構造が把握し切れないという点や、
	話の中でこの本自体に言及しているなどの自己言及的な構造が
	当時は新しかったのかなー?
	どうでもいいけど角川文庫の表紙は恥ずかしいんですが。

1997/5/25 
「スチール・ビーチ」上下 ジョン・ヴァーリー, ハヤカワSF文庫

	ナイス。SF的なガジェットが非常に沢山出てくるのですが
	それを全部とっぱらってもまだ読ませるものがある。
	ハインラインへのオマージュという側面もあるようで 、
	ハインライナー とかいう概念も出てきます。
	最近ハインラインずいている私にはタイムリーだったかも。



1997/5/20
「ラモックス」 R.A.ハインライン, 創元SF文庫
	ハインラインってこんなの書くんかーと言う感じの
	ジュブナイル。SF初心者にお勧めだけどこのML
        にそんな人はいないか。
	カク次官というお役人がナイス。

	挿絵はアマノヨシタカ となっているのですが
	これは天野喜孝なのだろうか。画風が広いなー。

「スターファイター」 R.A.ハインライン, 創元SF文庫
	10年前に買って読んでいなかったのを発掘。
	やはりジュブナイルだけどラモックスよりはハインラインぽい。
	やっぱり10年ぐらい前に くされCG SFX 映画で 
	同タイトルのがあったような気がしますが、
	何の関係もないっす。

「ミミズは切られて痛がるか」奥井一満: 光文社文庫
	ヒョッとして「nimnim 鮭問題」に対して何らかの知見が
	得られるかとおもってタイトルで買ってしまったのですが、
	激つま。金はともかく読んでしまった時間が惜しい。
	「主観的な命題は客観的にはわかりませんよね」
	という以上のことは書いていない。
	恐ろしいことに続編があるらしいので間違えて買わないように
	しましょう。


「科学する野球」:村上豊
	なんか野球指導者らしいんですが、人の悪口ばかり良くもまあ。
	自意識も過剰で読んでて腹立つんですがときどき役に立つ
	ことが書いてあるので読んでいるという。

1997/5/16
「異星の客」R.A.ハインライン, 創元SF文庫
	訳していた本に grok と言う単語が出てきたので著者様に訪ねたら
	この本にでてくるというので買ったまま読んでなかったのですが、
	夕べようやくよみおわりました。
	nueさんは嫌いだったみたいだけど、おもしろいじゃないですか。
	いわゆる「悪徳なんか恐くない」系統の話なので嫌いな人は
	嫌いでしょうけど、私はけして嫌いではない。
	ジュバルというキャラが非常にナイス。

1997/5/02
「軌道通信」 ジョンバーンズ、 ハヤカワSF文庫
	表紙が例の「ヴァーチャルガール」と同じ人かな?
	というのでちょっと不吉ですが
	(絵自体は好きだけど「ヴァーチャルガール」が嫌い)、
	話はなかなかに面白い。ジュブナイルですね。
	テーマ的には「断絶への航海」と似ていなくもないか?


1997/4/27
「アインシュタイン交点」サミュエル・R・ディレイニー, ハヤカワSF文庫
	わからん。わからなすぎー。
	表面的な物語は単純だけど、隠喩が込められている、
	らしいんだけど、まったくわからず。

「さよならダイノソア」 ロバート・J・ソウヤー, ハヤカワSF文庫
	タイムマシン + 1億の針 + 恐竜絶滅物。
	それなりにおもしろい。	

「狗神」 坂東眞砂子
	タイトルが いぬがみ で登場人物の名前が 晃(アキラ)ということで
	とりあえず読んでみました(^_^;)。直木賞とった人?
	土佐の狗神筋の話という私このみのテーマなんですが、
	うーん、いまいち。単なる伝奇小説だよこれじゃ。


1997/4/17
「雷電本紀」 飯島和一 (河出文庫) 
	江戸時代の相撲取り雷電の話。
	非常にきっちり取材した上で創作をくわえていて、とても面白い。
	話が時代的に前後するので若干読みにくい部分もあるかも。
	おすすめ。

「オカルト」 コリン・ウィルソン
	うーむ。なんか正気とは思えない。わたしはこの著者の本を
	これしか読んでいないのですが、この人はつねにこうなのだろうか?
	小説とかにでてくる表現を引き合いに出して、
	これがX機能だ、とかいわれてもなんとも言いようがない。

「ネメシス」アイザック・アシモフ
	アシモフにしては凡作。


1997/2/18
「家族八景」
「七瀬再び」
「エディプスの恋人」 筒井康隆
	そうそう、七瀬三部作読みました。筒井康隆やるなー。あなどれん。
	しかしこの辺の本は楽に読めていいね。1冊1時間ぐらいだもん。
	安いし。

「仰天・平成元年の空手チョップ」 夢枕貘
	力道山 対 前田日明 (T_T)。
	文体が面白い。プロレスマニアでないと充分には楽しめないか?


1997/1/31
「妖怪談義」柳田國男
	あちこちに書いたものを集めたもののようで、
	まとまりがないし、研究としても相当初期の段階のもののようで今一。

「魔の系譜」谷川健一
	「魔の系譜」のほうが面白かったかな。ただこちらは読み物的な
	書き方なのでちょっと喰い足りないというか。
	だれか、民俗学関連の本でお勧めのものがあれば教えてくだされい。

「機械の中の幽霊」アーサー・ケストラー
	文庫本一冊で1500円というのは私の蔵書の中では新記録じゃないかな。
		

「憑霊信仰論」小松和彦
	なかなか面白い。憑「もの」としての犬神、狐憑きなどを
	論じている。

1997/1/20
「姑獲鳥の夏」 ISBN4-06-181798-1
「魍魎の匣」   ISBN4-06-181812-0
「狂骨の夢」   ISBN4-06-181844-9
「鉄鼠の檻」   ISBN4-06-181883-X
「絡新婦の理」 
	京極夏彦
	すばらしい。すばらしすぎる。「魍魎の匣」は精神インパクト本と
	いえましょう。


「死ぬことと見つけたり」上下:  隆慶一郎
	鍋島藩の話。
	非常に面白いんだが作者死亡でなんと未完!くっそー。

「砂の女」安部公房
	さすがにうまいし読ませる。

「モロー博士の島」H.G. ウェルズ
	有名な話だけれど今読むと食い足りない。

「一夢庵風流記」 隆慶一郎
	というのもわりに最近読みました。
	JUMPに載っていたカブキもの(タイトル忘れた。かぶいて候?
	これだと隆慶一郎の別の本にあるんだけど)の原作なんですが、
	これが抜群に面白いっす。
	この人5年ぐらいしか作家活動してなくて、
	しかももうなくなってしまったので、安心して(^_^)全部読めるな。

「惑星カレスの魔女」ジェイムズ H シュミッツ
	超能力3姉妹がでてくるかわいらしい話。
	ぜひ続編が読みたいような話なのに、もう作者は死んでいる。
	残念。

「奇妙な論理 I/II」M.ガードナー
	元祖「トンデモ本」紹介本。
	昔も今もかわらんのだなー。

星界の紋章(I - III): 森岡浩之 (ハヤカワJA)
	私にしては珍しく日本人作家。新人。
	正しいスペオペ(^_^)。やっぱ帝国がでてこないと。
	やたら、漢字に造語のルビをふるのがうっとおしいけど、
	話は面白かった、と思う。設定が結構面白い。デスファイトするし。
	表紙の絵が赤井孝美?でいまいちなんだけど、
	内容もアニメ映えしそうな感じかも。

「猶予の月」上下 :神林長平
	きれいな話。いかにも神林。


「あなたの魂に安らぎあれ」:神林長平
	とても楽しめました。押井の映画とか、オーソン・スコット・カード
	とかが好きな人なら読んでみても損はないでしょう。傑作だと思います。


「後宮小説」酒見賢一  
「墨攻」酒見賢一 
	ようやく読みました。後者は漫画と全然違うのね。
	前者のアニメもう一度見たいな。LDでてるんだろうか。
	しかし、こんなに薄い文庫本を買ったのは久しぶり。400円以下の文庫本なんて、
	もうないのかと思っていましたよ。

「パンダの親指」
「ダーウィン以来」S.J.グルード
	生物学/進化論関係。とても面白い。


「銀河ネットワークで歌を歌った鯨」大原まり子
	印象にない。それなりに面白かったが軽い。
	(99/8 再読:)ブラッドベリみたい。悪くない。


「ハッカーと蟻」ルディー・ラッカー
	いまいち。技術の描写は良くできてると思う。	


「失われた世界」コナン・ドイル
	これまた有名な話だけれど、今読むと単なる冒険小説か。
	いまいち。


「封神演義 上 中 下」 安能務 編
	ころころ死ぬ。とにかく死ぬ。感情移入を許さない
	すごい話だ。


「重力の影」ジョン・クレイマー
        原題 Twister (ハヤカワSF)
	原題では出版できなかったんだろうな。今どきでは(^_^)。
	NV で 「ツイスター」って本出しているし。
	一応ハードSFといっているけど、そんなにハードでもないような。
	楽しく読めました。「プラクティスエフェクト」に似てる。
 
「遠き神々の炎」ヴァーナー・ヴィンジ
	宇宙は場所によって物理法則が違って、銀河の外の方では自律系が
	より効率的に働く、というような結構むちゃな設定なんですが、
	ストーリーの構成、世界の描写が非常に巧みで読ませます。
	ひさびさにスケールの大きい話しを読んだな。スケールの大きさでは
	「マップス」に匹敵する?
	設定は他にもいろんなアイディアがつめこんであります。
	創元から文庫上下巻で出ています。あ、92年のヒューゴーです。
	ちなみに作者(名前忘れた)は「マイクロチップの魔術師」を書いた人だそうな。


「プロテクタ」ラリー・ニーブン
	アイデアは面白いんだけど、ストーリーがいまいち。
	あと訳がひどい。ような気がする。
	ぼくは 「Known space シリーズ」詳しくないんですけど、
	これって時代的には初期の作品ですよね。
	このあと、あの戦いの結果ってどこかに載っているのでしょうか?


「Virtual girl」 Amy Thomson
	まあ、おもしろかったんじゃないでしょうか。
	タイトルが、H系パソゲー雑誌のようですが、わりに本格的なSFに
	仕上がってると思います。
	製作者との関係をどうするのか、というのがこの類のはなしだと
	一番難しそうですが、うまく切り抜けてますね。
	#しかしAI禁止法で、ミンスキーまで禁書になってるいる(@_@)。
	#おそるべしミンスキー!
	#あと解説のなかで、フレーム問題をフレーム理論と書いているのは
	#御愛敬。

「ゼノサイド」オーソン・スコット・カード
	知ってる人は知っている「エンダーのゲーム」「死者の代弁者」の続編です。
	ここのところのカードは、あまりに露骨にモルモンだったのですが、
	この話しは、やはり全面に宗教がかってますが、とてもおもしろく
	読めました。このメイリングリストの一部で話題になっていた
	バックグラウンドを共有しない場合の正義だの、
	利己的遺伝子だのが話題になっていてなかなかタイムリーです。

	最後はかなり強引な展開をみますが、確実に続編が出そうな引きだったので
	期待してます(^_^)。

	カードのはなしってどれもそうだけど、最後がスカッとしないところが
	いいんですよね。わりきれなくって。

「戦士志願」L.M.ビジョルド
	これは、L.M.ビジョルドの日本では始めて翻訳されたもので、
	以前ここに書いた「無限の境界」「親愛なるクローン」の
	前編に当たるものです。
	ちなみにL.M.ビジョルドのLは ロイスで 女性なんですね。
	で、内容ですが、超おすすめです。
	ジャンルは一言でいって、スペオペで科学的な考証とかは
	まるでないんですが、人物の描写と飽きさせない展開と
	語り口で一気に読ませます。

	カードの作品のような重みはないですが、
	主人公の描写は、カードに勝るとも劣らないと思います。
	わたしの現在の一押しの一人です。